分散学習で記憶力アップ PART2
前回は分散学習について
大まかな説明をしました。
今回はより深く分散学習
について掘り下げていきます。
前回の記事をまだ見ていない
という方はこちらを先に見て
下さい。⇩
https://blog.hatena.ne.jp/ma762016/makad76amazon.hatenablog.com/edit?entry=26006613688571898
分散学習をマスターすると、
覚えるのが苦手な人でもより
多く確実に覚えることが
出来ます。
そして、1週間で忘れてしまう
物事を1か月覚えているという
状態になれるのです。
「インターリービング」で
分散学習の効果を
ブーストする
分散学習から派生した
テクニックとして、もう1つ
「インターリービング」も非常に
効果があります。
インターリービングは、
「はさみ込む」や「交互に
配置する」といった意味を持つ
単語です。
ここから転じて、スポーツや
音楽などの世界では、1回の
練習時間の間に
複数のスキルを交互に練習する
手法を指すようになりました。
いくつか例を上げましょう。
・野球の投手だったら、
1回の練習で「カーブ、フォーク、
スライダー」などの投球練習を
すべてやる
・ピアノだったら、「ハノン、初めて
弾く難曲、好きな曲」のように、
1回の練習時間で数パターンの
曲を弾く
インターリービングの考え方が
おわかりいただけた
でしょうか?
かつては1つの技能をマスター
するまで同じ練習を繰り返す
「ブロック練習」が定番でしたが、
ここ数十年の研究により、
1つのセッションで複数の
内容を学んだほうが上達
しやすいことがわかって
きました。
2015年に南フロリダ大学が
行った実験では、学生に
2パターンの勉強法を
指示しています。
1. 1つの方程式の使い方を
マスターしたら次に進む
(ブロック練習)
2. 1回の授業でさまざまな
方程式の使い方を学ぶ
(インターリービング)
すると、翌日のテストでは
インターリービングを使った
グループのほうが25%も
成績が良かったうえに、
さらに1か月後の追試では、
両グループの得点差は倍近くに
開いていました。
インターリービングのほぼ
圧勝と言える成果です。
ここまで効果の違いが出たのは、
私たちの脳が単純な刺激に
敏感に反応するためです。
たとえば、数学で行列の勉強だけ
をひたすら続けたら
どうでしょう?
似たような問題や解法を
くり返すうちに、私たちの頭の
中は、やがて行列に特化した
発想や考え方で凝り固まって
いきます。単調な勉強がひたすら
続くだけなので、
「想起」のプロセスも
起きません。
この状態が続けば、記憶への
定着率は下がるばかりで、
新たな発想も生まれにくく
なります。
結果として応用が効かない
知識だけが頭にたまりやすく
なるのです。
この問題をふせぐには、同じ
ような学習を続けるよりは、
合い間に違ったジャンルを
はさむしかありません。
ベクトルをやったら、次は、
二次関数、続けて行列をやり、
さらに三次関数などとどんどん
複数の内容に手をつけていけば、
凝り固まった頭は確実に
リセットされます。これが、
インターリービングの
大きなメリットです。
インターリービング学習に
おける3つのポイント
効果的にインターリービング
を行うには、いくつかのポイント
を押さえておく必要があります。
具体的に説明しましょう。
ポイント1
ジャンルの数は3つまで
1回の勉強で混ぜ合わせる
内容の数に制限はありませんが、
たいていはジャンルを3種類
まで絞り込むのが普通です。
英語を勉強するのであれば、
単語の暗記や長文読解だけを
続けるのではなく、
「ライティング、文法、リスニング」
のように、3つのジャンルで
ワンセットを作って
みてください。
慣れたらジャンルの種類を
増やしてもいいですが、
いきなり大量の
インターリービングを行うと、
脳の処理能力を超えてしまう
可能性もあります。まずは3つ
ぐらいで様子を見ましょう。
ポイント2
時間は等分に
学習する内容を3つに絞ったら、
ジャンルごとに時間を均等に
割りふります。たとえば、
こんなかんじです。
1回の学習時間が60分の場合
ライティング20分
文法20分
リスニング20分
1回の学習時間が30分の場合
ライティング10分
文法10分
リスニング10分
もし短い学習時間しか
取れなかったとしても、
それぞれの内容には同じ時間を
使うようにして下さい。
ポイント3
ワンセッションごとに必ず
休憩を入れる
1回のインターリービングに
費やす時間はこれといった
決まりはないので、
自分の感覚にしっくりくる
時間を選べば問題は
ありません。
ただし、どうしても最適な
学習時間が判断できない
ようであれば、まずは
「90分の勉強、20分の休憩」
というパターンを試して
みて下さい。このサイクルは
人間の集中力の
変動タイミングに合わせた
学習パターンで、専門的には
「ウルトラディアンリズム」と
呼ばれます。
5~10分くらいの個人差は
あるものの、たいていの人は
90分の覚醒状態と20分の
安静状態のサイクルをくり返す
ケースが多いため、とりあえずは
このリズムに沿って勉強する
のが無難です。
何度か
「ウルトラディアンリズム」
を試して、集中力が続くか
確かめてみて下さい。
今日も最後まで読んでいただき
ありがとうございます。
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